カテゴリ:日々の暮らし( 156 )

の谷渡りの声が子犬のワルツの出だしのようにコロコロと山に鳴り響いています。

先日我が家に遊びに来た友人を最寄りの駅に送るのに山越えのルートを通りました。めざとく山吹を見つけ、帰り際に一朶いただきました。


七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき  兼明親王

太田道灌が鷹狩りの際に雨が降り出し近くの小屋で蓑を借りようとしたところ、中から出て来た若い女性に山吹の枝を渡され、訳のわからぬ道灌は怒って帰宅したが、後日「実のひとつだに」は「蓑ひとつだに」の掛詞だったことを知り、無学を恥じた、という話がありますね。

最近忖度という言葉が俄に流行っていますが、上の歌のようなシーンで忖度し、胸キュンしたいものです。



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花:山吹 諸葛菜
花器:白磁提灯壺


この一重の山吹は実が成りますが、八重山吹は実が成らないので上のような歌ができたそうです。


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by tou-kasho | 2017-04-29 14:15 | 日々の暮らし

穀雨の訪日

ペインの友人夫婦が我が家に来ました。2005年以降7回目の訪日で、そのうち6回会えています。(1回は肺炎でやむなく断念)
一年前より仕事でミュンヘンに住んでおり、国民性や気候、食文化の違いでかなり苦戦している様子を面白可笑しく教えてくれました。
春の訪日は初めてで、里山の春を満喫でき満足して帰って行きました。
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近所の滝を散歩

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滞在中に偶然将棋の駒や盤をコレクションする知人が訪れ、折角なのでコレクションを見にお宅を訪問させてもらいました。棋界最高峰の名人戦にも駒をお貸ししていて、森内俊之棋士と羽生義治棋士の名人戦での対局の際も同じ部屋で戦況を見守ったそうです。
重要な対局は棋士が対局に集中できるように黄楊の柾目で真面目な字体で書かれたものが好まれる、と伺いました。氏のコレクションとして、御蔵島産の黄楊の虎斑のある駒など数種拝見させていただきました。字体も様々でスペインの友人も日本の工芸の奥深さに感慨深げでした。

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晴天にも恵まれ夕刻には引き潮の海岸を染める日の入りを見る事ができました。

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帰り際に惜別の一服を点てました。見送りの後、伽藍とした部屋で自服。スペインで再会、といきたいところですがきっとまた日本での再会となりそうです。

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花:著莪
器:バンダジ形筆筒

半枯れの葉と茎の瑞々しさのコントラストが美しかったです。





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by tou-kasho | 2017-04-21 02:09 | 日々の暮らし

花惜しむ

りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ

そんな吉田兼好の言葉とともに風流な花見のお誘いがあり、大分国分寺跡まで出かけてきました。
記録的な遅咲きといえど、一昨日に予定された花見はさすがに遅すぎでは?と思われましたが、ちょうど花舞い落ちる美しい名残の花見となりました。

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大そらのよそに思ひししらくもにこのごろまがふ山ざくらかな 香川景樹
※香川景樹は江戸後期の歌人

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お弁当はお誘い下さった方の心づくしの手料理(涙)

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酒は呑めなかったのですが、桜の塩漬けで味付けされたサイダーを頂くことができ、またまた感動。

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花見客はほとんど無く、鳥の囀りと単線の踏切の音がかすかに聞こえました。

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二服目は桜の蒔絵の茶箱 銀瓶には櫻川の文様 
風炉:磁州窯鉢 
菓子:桜とつくしの干菓子(但馬屋)うすべに(末冨)

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見の後は、奈良時代、聖武天皇の詔で造られた豊後国分寺跡を散歩しました。現在観音堂が立つこの場所にはなんと全国最大規模の七重塔があったのだそうです。見晴らしが良く気持ちの良い平野で、当時の人達がここに国分寺を造ったのもうなづけます。


花見にお誘い下さり心づくしの用意をしてくださった方に

佐保姫のさゝらふりたる名残盌

という句とともにお礼状を送りました。

※佐保姫は春の女神。ささらは筅の訓読み。






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by tou-kasho | 2017-04-17 00:27 | 日々の暮らし

千里鶯啼緑映紅

こを切り取っても溜息の出るような春の里山の光景です。野鳥の囀りもいよいよ本調子となってきました。
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花:木五倍子
器:斑徳利
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花:辛夷
 器:斑耳付

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花:青楓 木五倍子 桜
器:粽形
札:立春大吉萬事如意亨通

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蓮華草
蜜蜂や丸花蜂たちもせっせと仕事しています。
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近所の長崎鼻にお客様をお連れしました。平日だったので殆どこの菜花の景色を独占でした。

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お客様よりれんこん餅を頂いたので荷葉皿に載せ頂戴しました。縁側で隣の山神宮の桜を見ながらの贅沢な休憩時間となりました。







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by tou-kasho | 2017-04-16 01:31 | 日々の暮らし

Txirimiri

から谷沿いの道を上ること10分。雨上がりの夕刻。細かな霧が停滞し、ドキッとする風景を演出していました。桜の右斜め下は滝。こんな花見もまたいいものだ、と思いました。
サンチャゴ巡礼の道すがらTxirimiri(チリミリ、バスク語)と呼ばれる細かな霧雨にしばしば遭遇することがある、と以前巡礼を成し遂げた友人から聞いたことがあります。それはとても美しい体験だったと語ってくれました。
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日々の忙しさの中で、かくも美しい景色が遠くに行かずとも身近にあることを忘れていました。




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by tou-kasho | 2017-04-09 02:45 | 日々の暮らし

灌仏会 天ぷら

4月8日。灌仏会。ということで、佛手筆架にホトケノザを取り合わせてみました。
以前、陶々舎の茶人・フクタロさんが送ってくださった写真を思い出しました。八面六臂のご活躍でお忙しくしているようで最近会えずに残念です。
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分では桜が記録的な遅咲きになっており、我が家も今頃辛夷がやっと咲き始め、窯脇の山桜が満開になりました。

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花:辛夷 木五倍子 藪椿
花器:斑耳付
先で採取した野草を天ぷらにしました。イタドリは新芽でないとかなり苦かったです。先日の西垣邸訪問から野の草に興味津々です。よく目を凝らすと実に様々な植物の感動的な活動があることに驚きを感じています。
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ヨモギ イタドリ タンポポ ツクシ






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by tou-kasho | 2017-04-08 23:56 | 日々の暮らし

春風の贈り物

風に乗ってお慕い申し上げるご夫婦とそのご友人が我が家にやって来ました。
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久々にパエリヤとトルティーヤを作りました。食事準備中にお客様が床の間を飾って下さいました。

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軸:花のころ旅にありて
やどかさぬ人のつらさをなさけにておぼろ月夜の花の下ふし 蓮月
花:姫辛夷 紫陽花
花器:斑アルバレロ

花とお軸の、空間を支配する存在感。中廻は濃紺の揉み紙。花火のような模様。いいものを見せていただきました。姫辛夷+中廻の花火+お軸の花の文字。外へ出ずに花見が出来てしまいました。

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食事後は場を一新してお茶をいただきました。このネパールの台も十錦手の火鉢もわざわざ持参して下さいました。
かたじけない
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蒟醤合子(花梨砂糖漬)インド透かし彫合子(金平糖)萬事如意皿(和三盆)中國独楽盆(桜餅、荒城の月)
歌の花と朧月がそれぞれ桜餅、荒城の月と呼応する当意即妙な組合わせ。

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錫皿(紅豆腐)

お菓子も沢山揃い、鳥の鳴き声をBGMに贅沢な時間となりました。

これから梅雨まで、里山は天国のような季節です。



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by tou-kasho | 2017-04-06 01:58 | 日々の暮らし

三椏(ミツマタ)



温み、氣も緩む。個展作品の発送と前回個展の桐箱の箱書きが完了し、今年一番の安堵感に満たされています。
これから注文品に注力する前に半日休みを取りました。
近所の山に三椏の群生地があるとの噂を聞きつけ、離合もできない川沿いの谷道を上ること2km。

いまだ嘗て見たことの無い光景を前に言葉を失いました。

観光地であれば春暖の連休ともなると人でごった返すところですが、初老の二組の夫婦以外に人とすれ違うことも無く、交通の便が悪いお陰で享受できる田舎のストロングポイントを存分に愉しみました。


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三椏の品のある匂いに覆われました。
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紙を作るために植えられたのでしょうか?
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外出ついでに海岸段丘を覆う菜の花畑で知られる長崎鼻に寄りましたがこちらはこれからが見頃でした。

明日から上洛です。早春の京も楽しみです。

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by tou-kasho | 2017-03-20 06:47 | 日々の暮らし

猪牙(ちょき)

5月の別府アルゲリッチ音楽祭。ミッシャ・マイスキーの演奏を見に行こうと予約解禁日の朝10時ちょうどにオンライン予約を試みましたが、アクセスが殺到し1時間後に予約最終確認画面まで辿りつくもシステムエラーが表示され万事休す。
後日事務局に問い合わせると2,000枚のチケットに対し初日だけで40,000のアクセスがあったのだとか。
ミッシャ・マイスキーのチケットは150枚というプレミアム・チケットで、掴みかけていた僥倖が手からすり抜けていった悲しさに、ここのところの寒風が追い打ちをかけます。

は変わり、猪牙船形の箸置と筆架をつくりました。猪牙船と言えば江戸時代に活躍した高速船で胴体がスリムなゆえスピードは出ましたが、安定感はなかったようです。猪牙船に乗って浅草の観音様の裏手に出かける殿方の悲喜交々がしばしば落語にも登場します。
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本物の猪の牙と猪牙船箸置

昨年猟師から猪の牙を頂戴しました。写真は下顎の犬歯で、非常に鋭い。上顎の犬歯と擦り合わせることで鋭さを保っているそうです。中は空洞になっているので工夫次第で一輪挿しにもできそうです。我が家ではたまに筆架としても活躍しています。

山は芽吹きの季節。三寒四温。春が待ち遠しいですね。




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by tou-kasho | 2017-03-10 00:35 | 日々の暮らし

ついでのついで

こがついでやねん!
というツッコミが入るのを承知の上で、岡山に寄ったついでに東京に行ってきました。
出光美術館で出光コレクションの大規模な展示があり、さらにはしぶや黒田陶苑で石黒宗麿展があるということで、これは仕事の一環だ!と自己暗示をかけ一路東京へ。
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奥高麗も多数出展されていました。自分の仕事に照らし合わせ、昔はわからなかったことにふむふむなるほどと、得心するポイントも多数あり、収穫の多い展示会でした。。。。来て良かった。

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多くの陶技に果敢に挑み、そして多くの漢詩も物し没後50年にならんとしている今も作品と書は輝きを放っていました。

ムネのマロマロにドキがムネムネであります。。。。来て良かった。


らにはついでに広島に立ち寄り、酔人と「牡蠣すき」なるものをつつきました。肉の代わりにすき焼きを牡蠣で食べる。さすが本場、牡蠣の身が大きく、ぷりっと濃厚でした。
氏には酒を長く旨く呑む、という人生の軸がどーんとあって、そのために肝臓を守るにはどうするのか?、アテは?合わせの音楽は何がいいのか?、じゃあそのためのオーディオは?、とストイックに究めておられる姿勢には感銘を受けました。
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牡蠣すき 広島・肉のますゐ

今回の外出はついでが多かったですが、アウトプットで還元していきます。


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by tou-kasho | 2017-02-28 16:22 | 日々の暮らし