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アレックス・カーさん

9日に竹田市にアレックス・カーさんの講演を聴きに行きました。

昔、アレックス・カーさんの「美しき日本の残像」という本を読み、非常に感銘を受けていたので竹工芸家の中臣一さんから講演があるというお話を聞いたときは驚きました。
さらに第2部ではなんと中臣さんと最近「目の眼」の編集長になった白洲信哉さんも参加するトークセッションがあるというではないですか!
竹田市は昨年も「川端康成の眼」展を開催するなど、文化的に非常に高度な発信をしているように思います。

展示会の準備もありますが、これは行かないと後悔すると思い、竹田に出かけました。

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本の中で著者が体験した70年代以前の日本の景観が経済優先の国土開発のせいで20年後にはコンクリートと無意味な看板に覆われた醜悪な列島に変わり果ててしまったことを鋭く指摘していました。講演ではその具体例をスライドで紹介していました。
本では絶望的な感じで締めくくられていましたが、講演では日本のこれからは掃除の時代で、「明珠在掌」、すなわち日本の自然がもともと持っていた美しさ(作らない素晴らしさ)を活かすことで成長の期待できる観光産業が発展するのではないか、という提案がありました。

人間の脳は不思議なもので、中臣氏も指摘していましたが電柱や鉄塔など、普段毎日目にしているはずなのに、脳内で不必要な情報として処理され、醜悪なものとさえ感じなくなってしまいます。
人間は身体的痛みを感じるとモルヒネに似たホルモンが分泌される、と何かの本で読んだことがありますが、醜悪なものを見続けると、それを無かったことにする物質が脳内で作られて、いつしか何を見ても感動が無くなってしまうのではないか、と考えると恐ろしいです。

現在の日本の景観の醜悪さは我々の精神そのものではないか、と思ってしまいます。各々の家の中は不必要なもので溢れかえっていないか?そしてその集合体が現状の景観ではないか?と自戒の念を込め感じます。

白洲信哉さん(曽祖父が竹田で人生の幕を閉じられたそうです)もアレックスさんの講演を聴き、「我々全員が犯罪者だ。一人一人が何かをしていかなくてはならない。」という強烈なメッセージを残していかれました。
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左から中臣一さん、アレックス・カーさん、白洲信哉さん、草刈樵峰(書家)さん、崎谷浩一郎
(土木設計・デザイン)さん

寺での講演というのも独特な場の「気」があり、アレックスさんも初めての体験ということで満足されていました。

まずは足元から。忙しさを理由にサボらず、家を片付け、花の一本も生けるところから始めようと思います。

ちゃっかり持っていった「美しき日本の残像」と「Dogs and Demons(犬と鬼)」にサインしてもらいました。
by tou-kasho | 2013-03-12 00:39 | NEWS