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べレン

「クリスマスなんて日本人はキリスト教徒じゃないんだから関係ない!」と嘯いてみても
詮無いことかもしれない。街中ではクリスマスソングが耳朶に触れ、クリスマスの装いで
華やかだ。表層的であろうとなかろうと、地域も社会も国も人々がありたいようにある。

それが街の風景を象っている。

そもそも宣教師がキリスト教を日本に伝来してすでに400年以上経っている。ましてや当地はキリシタン大名・大友宗麟のお膝元、さらには私の住む部落(岐部)は日本人として初めて
エルサレムの地を踏んだペトロカスイ・岐部神父の出たところで、記念公園もある。キリスト教など知らぬ存ぜぬでは済まないのだ。
とはいえ、我が家の周りはこの行事とは一切無縁で、唯一クリスマスを想起させていた記念公園内の無人の教会の電飾も数年前に廃止された。

この静かな聖夜を私は気に入っている。スペインで経験したクリスマスの夜に似ているからだ。彼の地では家族で静かに夕食を楽しみ、街の店も全て閉まり、通りは嘘のように静まり返っている。
当時を思い出し、私なりのべレン(キリスト生誕のシーンをミニチュア模型で再現したスペインのクリスマス・オーナメント)をセットしてみた。
電飾は不要。満天の星明りがより明るく我が家を照らし出してくれるから。
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白磁筆筒をランプシェードに。壁に投影された明かりが予想以上の効果をもたらしてくれた。
べレン_d0247023_20213934.jpg
瓢形徳利にノイバラ 磔刑のキリストはイバラの冠を被らされていた。
白磁筆筒 蝋燭を唐津古窯のトチンの上に乗せてみた。
陶製獅子 エチオピアのユダヤ教徒の村で求めたもの。ユダヤ教で獅子はキリストの象徴。      (ラスタファリアニズムの象徴でもある)


陶製の聖杯で酒を呑み、この一年をゆっくり見つめる静かな夜となりました。
by tou-kasho | 2013-12-26 00:45 | 日々の暮らし

陶芸家 菊池克の雑記帖


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