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stand and smile

ぶや黒田陶苑での個展が終わり、東京より無事生還しました。

今でも駅の自動改札で人々が非接触型ICカードをかざした時のピヨピヨピヨピヨが頭の中で繰り返されています。

行きの飛行機では骨董の会でご一緒していたインテリ破落戸が斜め前の席に座っておられ3年ぶりにお話をし、個展にもお見えになりました。始まりから波乱含みで連日連夜多くの人と会い、酒を酌み交わし、怒濤の一週間でさすがに疲れました。

もう少し心が静まったら少しずつ一つ一つの事を思い出し、噛み砕いて頭の中で整理しようと思います。

その中でも今回印象に残った事を一つ。

職を辞し、転職活動中の学生時代の友人が来廊してくれ友人たちとの飲み会にも二晩付き合ってくれました。
クラスも一緒で所属していた運動部でも共に汗を流し、「知的バーバリアンになろう!」なぞと青春の気恥ずかしい誓いを立てたものでありました。

私がスペインから帰国し、唐津の師匠と巡り会えたのも彼の紹介のお陰でしたし、独立資金を貯めるための就職活動をしていた時にも気に掛けてくれていました。

今回の飲み会では、各界でいきいきと活躍する友人達に囲まれ自分の現在の境遇と照らし後ろ向きな気持ちになっているかもしれません。しかし今まで生き馬の目を抜くような彼の業界で戦い続けてきた経験を、努力を仲間達は知っているし応援もしています。
ただ、彼の信条である「Stand and fight」を心の額から下ろし、しばしこの写真の言葉を掲げてほしいと思っています。

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額:笑而不答心自閑 古山子(小山冨士夫) ※笑って答えず心自ずから閑なり
器:粉青鳥魚文瓶
花:秋明菊、莢蒾 (がまずみ)


唐の詩人・李白が、「人は私にどういうつもりで山中に住んでいるのかと問うが、私は笑って答えようとはしないが、心の中は穏やかなのだ」、と告白しています。
古山子(小山冨士夫)は永仁の壺事件で文部技官を引責辞任し、その後にこの李白の山中問答の一節を書いたのだと知って見ると感慨深い書であります。

Stand and fight からStand and smile で、人目を気にせず、職が無いというその不思議な時間を寧ろ自分とゆっくり向き合い楽しんで欲しいと思います。

個展会場で秋明菊が初日の蕾から最終日には枯れしぼんでいくまで、この書を眺め彼の事を考えていました。

最後になってしまいましたが、今回も多くの知人・友人、新たなお客様が忙中お時間を割いて会場に足を運んで下さったこと、またご声援を下さったこと心より感謝申し上げます。
by tou-kasho | 2015-10-15 14:41 | 展示會