花惜しむ

散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ

そんな吉田兼好の言葉とともに風流な花見のお誘いがあり、大分国分寺跡まで出かけてきました。

記録的な遅咲きといえど、一昨日に予定された花見はさすがに遅すぎでは？と思われましたが、ちょうど花舞い落ちる美しい名残の花見となりました。

大そらのよそに思ひししらくもにこのごろまがふ山ざくらかな　香川景樹
※香川景樹は江戸後期の歌人
お弁当はお誘い下さった方の心づくしの手料理（涙）
酒は呑めなかったのですが、桜の塩漬けで味付けされたサイダーを頂くことができ、またまた感動。
花見客はほとんど無く、鳥の囀りと単線の踏切の音がかすかに聞こえました。
二服目は桜の蒔絵の茶箱　銀瓶には櫻川の文様　風炉：磁州窯鉢　
菓子：桜とつくしの干菓子（但馬屋）うすべに（末冨）

花見の後は、奈良時代、聖武天皇の詔で造られた豊後国分寺跡を散歩しました。現在観音堂が立つこの場所にはなんと全国最大規模の七重塔があったのだそうです。見晴らしが良く気持ちの良い平野で、当時の人達がここに国分寺を造ったのもうなづけます。

花見にお誘い下さり心づくしの用意をしてくださった方に

佐保姫のさゝらふりたる名残盌

という句とともにお礼状を送りました。

※佐保姫は春の女神。ささらは筅の訓読み。