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思いを馳せた器 思いを馳せる器 

年のスペイン・コルベド旅行で、英国の建築家デイビッド・チッパーフィールドさんのサマーハウスに行き、そこで日本人のアートコレクターであり、墓苑の理事長でもある大澤氏とお会いしました。これがご縁となり今年7月に落成式となったデイビッドさんが設計した猪名川霊園礼拝堂・休憩棟で使用される湯呑みを依頼されました。
製作に先立ち、建設途中の現地を見学しました。また、同じく大澤氏が運営する狭山湖畔霊園の森の礼拝堂(中村拓志氏設計)は、昨年アルカシア建築賞の最高賞「ビルディング・オブ・ザ・イヤー」を受賞し受賞記念パーティーにも参加させて頂きました。
当初猪名川で建物を見たときにはその特徴的なカラーコンクリートの外観に準えた湯呑みを作ろうと考えていました。
しかしその後、「狭山の森の礼拝堂」の受賞記念パーティーでの中村拓志氏の設計への思いを聞いてしまったのが悪かった(笑)。私ももっと表層的でなく、その場で器を使って頂く意味をもう少し深く掘り下げて作ろうと思ってしまい、ついには落成にも間に合わず、ようやく11月になって納品させてもらいました。出来上がった湯呑みの形は私が唐津の故・中川自然坊先生の弟子となり、最初に出された課題の汲出しの形でした。できの悪い私は他の弟子達よりこの課題をクリアするのに時間がかかり、それでも言葉では教えてもらえず、悩みに悩んだ器でした。この形にしようと思った時は直感的にそう感じたのですが、この器を作っている時、彼岸に逝かれた師匠と対話しているような気がし、それに気づいたときにはこみ上げてくるものがあり、これで良かったんだと思いました。

参拝した方々が休憩棟でお茶を飲まれる時に、このような神秘体験をもって作った器で故人との対話をし、また御自身を振り返る一助となればとの願いを込め製作しました。
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猪名川より写真をいただきました。デザインも釉薬も形も、故人との、あるいは自己との対話の邪魔にならぬよう最もシンプルなものにしました。

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びっくりするほど良い写真が全くなかったので興味のある方は是非月刊誌「新建築」9月号(92)、もしくは「GA JAPAN」SEPT-OCT号(148)で特集されていますので御確認下さい。



今日は故・中川自然坊先生の命日でもあり、上述のエピソードを先生と懇意にされていた禅僧に追善の意も込め電話でお伝えし、故人を偲びました。

by tou-kasho | 2017-12-13 23:46 | 日々の暮らし