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未来からの伝言

昨年の夏頃だったでしょうか、アメリカ在住の知人が私のことをカナダの陶芸家に紹介してくれました。

それ以来、彼はこのブログを読んでくださっていて時々電話をかけてくれるようになりました。

電話では彼は私の親の世代ということ、カナダに住んで45年ということ、陶芸をされているが個展での発表はずいぶん昔に止め、今は庭作りに多くの時間を割かれているということなどがわかりました。
また、私のブログを読み、「今後も挫折や失敗も含め、いろいろな事が起こるだろうが、方向性は間違っていないので必ずいい方向に行く」といった励ましの言葉を、穏やかな、ゆっくりとした思慮深い声で、毎回伝えてくださっていました。

私はいつからかこの遠く離れた場所に住む、お会いしたこともない随分年上の方からの電話を未来の自分から現在の自分を叱咤激励するために、タイムマシン仕掛けの電話が繋いだ伝言と捉えるようになっていました。

しかしこのシュールな電話から「今度日本に行く際にあなたの家に寄る」という驚きのメッセージがあり、先日とうとうこの未来人がはるばる国東にお見えになりました。
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                                        自宅隣の山神宮にて
彼の名前はKINYA ISHIKAWAさん。

若いころ伝説のファッションブランド「VAN」で企画をされていて、ボブスレー日本代表となるべく渡米し、後にカナダで陶芸をはじめ、現在は1001POTSという北米を代表する陶芸フェスティバルのオーナーをされている、という話をお聞きしました。

なぜわざわざ国東まで立ち寄ってくれたかはいまだに謎めいていますが、これはきっと私が未来に辿りついたときでないと判らないのかもしれません。

とてもありがたく、貴重な時間をプレゼントして下さいましてありがとうございました。

またいつか何処かで時空を越えてお会いしましょう。
by tou-kasho | 2012-11-28 09:35 | 日々の暮らし

床完成

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床の塗装が終わり、移動完了。通常の仕事に戻りました。
今年もあとわずかですがやらねばいけないことが多くて焦ります。
障子・フスマも張り替えたいな。。。
by tou-kasho | 2012-11-19 22:39 | 仕事

工房移動

寒風吹き荒ぶある日、思い立って工房を移動することを決意しました。
今までシイタケを乾燥する小屋にロクロを設置し作業していて、今年の冬も壁はトタン1枚、屋根の隙間からは雪が舞い散るこの小屋で仕事をするのか、と憂鬱な気分でいました。しかし最近我が家に遊びに来た兄弟子に、「ハナレがあるんだからそこ使えばいいじゃん」、と至極尤もな意見を言われ、「あ、そうか」と移住6年目に気付いたのでした。

ロクロや作業台をハナレに移し作業を始めると、日当たりも良く、気密性も以前とは比べものにならず快適。ここを5年も物置にしていた。。。今年はかなり作業効率も上がりそうです。

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2007年撮影。移住した際に最初に手掛けた大工仕事はハナレの床張りでした。これで大工仕事の基本を学びました。
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オイルステインは以前塗っていたのですが、防水性を高めるためウレタンニスを上塗りしました。ただいま二度塗りするため乾燥待ちなのでブログ書き込み中。
by tou-kasho | 2012-11-18 18:52 | 仕事
工房の屋号陶 迦葉(とう かしょう)の名前の由来についてよく聞かれることがあります。

迦葉とはお釈迦さまの十大弟子の一人の名前で、釈迦入寂後、第一回結集
(お釈迦さまの教えを弟子達の記憶を基に仏典を編纂するため僧たちが集まった会合)
の座長を務めました。

そんな迦葉に拈華微笑(ねんげみしょう)というエピソードがあります。

霊鷲山(りょうじゅせん)でお釈迦さまが説法中、大衆の面前で徐に華を拈(ひね)ってみせました。一同皆その真意が分からず首を傾げていると、迦葉のみがその意を汲み取って微笑
(にっこりわらう)したそうです。その真意とは、仏法を会得するには決して文字や言葉のみではない、というお釈迦さまからの無言のメッセージだったのです。このエピソードは禅のルーツとも言われています。

生きにくいこの世で、理想の器を求め土を拈(ひね)ることができている日常に幸福を感じて
います。私の器を手に取られた方がそんな気持ちを感じ取り、想いを重ねてくださったら、
と開窯の際、迦葉のエピソードから拈土微笑(ねんどみしょう)、という言葉を造りました。
この造語は私の願いであり、指針でもあります。

言葉足らずや緊張したりで口頭でうまく説明できないことがあったので、一度文章にしておきます。
by tou-kasho | 2012-11-17 23:55 | 拈土微笑

「川端康成の眼」展

先日行けなかった竹田市立歴史資料館で開催されていた「川端康成の眼」展に行きました。
予習を兼ねてフェリーで「雪国」を二十数年ぶりに読みました。内容をすっかり忘れていましたが、その分新鮮に読めました。年齢とともに感性は変わっているので昔読んだ本を読み返すのは面白いです。
現在私の心に引っかかっているのが「書」の所為か、三島由紀夫や太宰治など文人達の書簡、本人の書(先日行った京都の古美術「柳」の看板も川端によるものだった)、愛用の文房四宝などに目が行きました。
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川端康成が骨董を見ている時は誰も声をかけられないくらいじいっと、何時間も見ていたそうです。
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金農 墨梅図 1760年 96.0×99.3cm
最近密かに想いを寄せている金農(冬心)の墨画に出会いました。いいものをコレクションしています。一番の収穫。
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帰りに川端康成も寄ったという田野村竹田の生家、旧竹田荘に寄りました。
ちょうど松の後ろあたりに座る川端康成の写真がありました。
山中の紅葉は国東より少し早く深まっていました。
by tou-kasho | 2012-11-17 01:18 | 日々の暮らし

竹田

奈良展示会の帰路はフェリーで大阪南港から別府へ。
船旅は時間があればなかなか快適です。読書もゆっくり出来るし明石海峡大橋を下から眺めることができる等の特典もあります。
朝7時に別府に着き、そのまま大分県竹田へ。目的は九州で唯一開催されていた「川端康成の眼」展(於:竹田市立歴史資料館)と竹工芸家の中臣氏の新居を見に行くこと。しかし現地で気付いたのですが、この日は休館日でした。。。。
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いいこともありました。竹田に行く途中、普光寺の磨崖仏に寄りました。月曜日の朝8時、誰もいない山道を歩いていくと眼前に忽然とこの風景が開けました。しばし見惚れていました。
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大きさでは日本最大の不動明王だそうです。
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「荒城の月」で有名な岡城にも登ってきました。
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中臣氏新居。武士の家をリフォームした趣のある家でした。以前の家といい、ええとこ見つけるなあ。
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ここから名品が生まれていきます。

「川端康成の眼」展、どうしても行きたかったので後日また竹田に行くことにしました。。。。
by tou-kasho | 2012-11-16 01:51 | 日々の暮らし

爵再考

奈良滞在最終日、正倉院展の長蛇の列を横目に、なら仏像館・青銅器館に行きました。
奈良時代の素晴らしい仏像彫刻をゆっくり堪能できたのも良かったのですが、私の心を奪ったのは坂本コレクションと呼ばれる青銅器の展示でした。中原で花開いた中国古代文明の青銅器の形、文様の素晴らしさは圧倒的でした。この素晴らしさを表現するボキャブラリーが思い当たらないのが悲しい。

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以前、爵について書いたことがありましたが、いい機会だと思い、青銅器館の学芸員に器上部の突起物の役割について尋ねてみました。すると、酒に香りをつけるために香草を引っ掛けていた、という説をお聞きしました。想像の域を出ない、とのことでしたが、このデザインを考えだした古代人も、それを考察する考古学者もなかなかすごい。


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こちらは以前九州国立博物館で開催された「誕生!中国古代文明」で出品された斝(か)。爵より大きな酒器で、図録には上の突起に酒を漉す布が取り付けられたのではと推測されるが確証は無い、とありました。


過去は未来と等しく新鮮だ。
by tou-kasho | 2012-11-12 01:01 | 日々の暮らし
初めて正倉院展に行きました。
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噂に違わずすごい行列。中では押し合いへし合いで無法状態。もう64回もやっているのだからもう少しスマートなオーガナイズができないものかと思いました。
螺鈿の入った琵琶やガラス玉、きれいだったな。行かれたことの無い方は是非、週末と午前中を避けて行ってみてください。
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ギャラリーの展示会場に行く前に書道具の文林堂さんへ。以前購入した筆が調子良かったので同じものを求めました。
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うつわ文居五人展会場へ。梶原さん、伊藤さんも一緒でした。お二人と最近ご一緒する機会が増え、本当に学ぶべきことが多いです。朝鮮や唐津の器が好きなお陰で、吉野さんや矢野さん、そしてお客様も含めいいご縁ができました。五人五様の、興味深い展示会です。11日まで開催していますので是非足をお運びください。

展示初日に私のブログを見て下さっていて、北海道からお見えになったお客様があったそうです。嬉しいやら恥ずかしいやら。お会いできなかったのでこの場を借りてお礼を言います。
by tou-kasho | 2012-11-08 00:36 | NEWS

長い一日

11月2日
奈良・文居の展示会のため別府からフェリーで大阪南港に朝7時着で前日入り。

そのまま今回DMのご挨拶文を書いてくださった東大寺・上野道善長老宅へご挨拶に。
ご本人にはお会いできませんでしたが奥様にご挨拶させていただきました。

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オープンしたての東大寺ミュージアムにて不空羂索観音像、日光・月光菩薩などの国宝を駆け足で見学。そのまま鹿のフンと修学旅行生を避けながら京都へ移動。
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川口美術にてオンギの展示を見て、来年の個展のお話を少しさせていただきました。テーマは「文具」です。
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タクシーで野村美術館に移動し、名碗展見学。無理して行った甲斐がありました。
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篆刻作家Tさんと合流し、古美術「柳孝」へ。以前勇気が無く門前逃亡した苦い経験がありましたが、細川護煕展が開催されていたので強い気持ちを持って入店。ご本人もいらっしゃいました。9年ほど前に見たときより作品のバリエーションも拡がり、驚かされました。
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古美術・今出川へ。奈良の5人展のDMを置いて下さっていました。ありがとうございます。
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その後、てっさい堂、天平堂などを見て回り、夜は東山二条の七八さんで夕食。なかでもご飯が抜群にうまかった。ご主人が丹波の契約農家から入手するコシヒカリを毎日ご自身で精米しているそうです。器もいいものを取り揃えておられます。

篆刻家のTさんからは文具に関していろいろとご教授いただきました。おそろしい世界に足を踏み入れそうですが、楽しみでもあります。

その後木屋町のBARで〆。

長ーい一日が終わりました。折角関西に来ているのだから、やれることを思いっきりやりました。

いわゆるひとつの、貧乏性です。
by tou-kasho | 2012-11-07 01:37 | 日々の暮らし

うつわ文居五人展開催中

奈良・うつわ文居での展示会に来ています。
11月11日(日)まで開催中です。
出先なのでとりあえず画像だけアップします。
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大好きな作家さんたちと一緒にでき、楽しいです!
by tou-kasho | 2012-11-03 17:51 | 展示會