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僥倖の茶事

齢四十にして初めて茶事に招かれました。

茶会はこれまで幾度となく行きましたが、正式な茶事は初めてで、緊張とともに期待で
ワクワクしていきました。
道具数寄のご亭主と客でしたので、すばらしい器や室礼を愛で、本当に楽しい時間を過ごすことができました。
遠方だったので、行きの電車の中で出光創業者・出光佐三の立身出世の物語「海賊と
呼ばれた男」(百田尚樹著)を読んでいました。奇しくも本の中に登場する出光氏を資金面・精神面で援助した日田重太郎氏と縁深い篆刻/書家が茶事に参加されていて、茶事の後に
御自宅を訪問させていただきました。

ご自宅には出光佐三の書と日田氏と出光氏が仲睦まじく収まった写真が飾られていました。

丁度日田重太郎の章を読んでいたときにタイミングよくこの方と出会ったのでその写真を目にしたときは感動が大きかったです。その後大きな書斎にある文房具や書・篆刻関連の膨大な書籍を見せていただき、大変勉強になりました。来月の文具展の前に、有り難いご縁をいただき本当に運がよかったです。

最近このような僥倖が当たり前のようによく起こり、怖くなります。
この晩は茶事と御宅訪問の興奮でほぼ眠れず。
by tou-kasho | 2013-09-22 09:12 | 日々の暮らし

撮影

スペインから友人夫婦が滞在中です。
4年合わぬ間に互いの国にも自分たちにもいろいろなことが起きました。
話は尽きず、次いつ会えるのかと思うと話せている時間がとても貴重に感じます。
カメラが趣味の彼は撮影機材一式をわざわざ持ってきていて、日本での大切な一日を
私の器の撮影に費やしてくれました。
撮影_d0247023_0182298.jpg
普段は穏やかな彼ですが、撮影の時は顔つきが全く変わっていました。
にしても凄いカメラです。
撮影_d0247023_0183495.jpg
いい写真を撮ってもらいました。近日中にホームページの作品の写真を新しくする予定です。
by tou-kasho | 2013-09-14 00:48 | 日々の暮らし


心字硯というものを作っています。墨池の部分が「心」の字を意匠したものになっています。
活字は情報を伝えるもの、筆文字は心を伝えるもの、と信じます。
心字硯に向かいて墨を磨り、心を満たし手紙を書けば以心傳心間違いなし?
心_d0247023_2381198.jpg

          白磁心字硯(焼成前)とラフカディオ・ハーン著「心」

明治時代、欧米化の波で変わっていく日本人の有り様とそれ以前の日本人の心を描いた
名著でした。
by tou-kasho | 2013-09-04 23:48 | 仕事

ボティーホ

ちょうど20年前、ヴィジャレホ デ サルバネスというマドリード郊外の村を目指して成田を
旅立ちました。
インターネットの無かった時代、モスクワ経由でシャルル・ド・ゴール空港から地下鉄、電車、
バスなどを乗り継いでこの呪文のような名前の村に辿りつくのはちょっとした冒険でした。
村の中心に方形の広場があり、教会と村役場がある。典型的なスペインの田舎の小さな村でしたが、初めて訪れたヨーロッパは見るもの全てが新鮮でした。

この村近郊でローマ時代の街道を発掘調査している考古学チームの手伝いとして世界中の若者と共に村の修道院で寝泊りをして共同生活をしました。
乾燥した内陸性気候での夏の暑い盛り、修道院から発掘現場にボカディージョ(バゲットに
生ハムやチーズをはさんだもの)と一緒にボティーホという陶製の水瓶を持っていき、喉の
渇きを潤したのを覚えています。
この水瓶は素焼きのため気化熱により暑い昼でも中の水は冷たさが保たれていました。
始めて見る形と、それをワイルドに傾けてがぶ飲みするのが気に入っていました。

この時の体験が後にスペイン留学をする一因となったのは間違いありません。

今までスペインで学習・体験したことを自分の陶芸に取り入れようとすると何か不自然で
考えるのもやめていたのですが、今年に入り文具を沢山作る間にふと思い浮かびました。
「ボティーホの水滴を作ってみよう!」

初めてスペインを自分の器に取り入れることが出来ました。

ボティーホ_d0247023_21243947.jpg
           ホアキン・ソロージャ作 El Botijo   出典:Wikipedia
             スペインを代表する光の表現が美しい画家です。

ボティーホ_d0247023_22551282.jpg
                     黄釉ボティーホ水滴
by tou-kasho | 2013-09-02 22:57 | 作品